糖尿病と頭痛
糖尿病は頭痛を起こしやすい病気です。高血糖の血液は流れが悪くなるため、首筋・肩・背中の「こり」が強くなり、それによって慢性的な頭痛を起こすことがよくあります。
また、糖尿病で血糖値のコントロールがうまくできないと高血糖だけでなく、低血糖を起こすことがあります。低血糖になると中枢神経がブドウ糖欠乏を起こしてめまいや頭痛を起こすことがあります。また、低血糖になると大量のアドレナリンが分泌されて血管が収縮し、それによって頭痛が生じることもあります。この場合の頭痛はズキンズキンと脈打つような強い痛みです。
低血糖は意識消失など危険な状態になる可能性があります。低血糖にならないように糖尿病治療で上手にコントロールすることが重要ですが、もしも低血糖になってしまったらすぐにブドウ糖を摂取して、その後血糖を安定させるためにも早めに食事をとってください。また、低血糖を起こしたことを主治医に伝えて、低血糖を起こさないためにどんなことに注意したらいいかをしっかり確認しましょう。
血糖値スパイクと頭痛
食後の血糖値スパイクも頭痛を起こします。食後に血糖値が急上昇し、その後に急降下するのが血糖値スパイクです。血糖値スパイクは大量の活性酸素を血管内に生じさせることがわかっていて、この活性酸素が血管を傷付けて動脈硬化を進行させ、脳梗塞や心筋梗塞を起こすリスクを上昇させてしまいます。糖尿病で食後に頭痛が起こる場合には、血糖値スパイクを起こしている可能性がありますので、必ず主治医に伝えてください。
血糖値スパイクは食事や生活習慣の改善で防ぐことができます。食事を抜いてしまうと、その次に食事をした際に血糖値スパイクを起こしやすいので、まずは3食を決まった時間にしっかり食べるようにしてください。
糖尿病による頭痛で気を付けたいこと
糖尿病があって頭痛が起きた場合、血糖のコントロールがうまくできていない可能性があります。糖尿病の方は、空腹時、アルコールの過剰摂取、運動などによって低血糖になりやすい傾向があります。また、脳梗塞などのリスク要因になる血糖値スパイクを防ぐためにも、食事や服薬のタイミングなどに注意が必要です。
なお、血糖値スパイクは糖尿病の方に起こりやすいのですが、一般的な健康診断などでは血糖値に問題がないとされる方でも繰り返し起こしているケースがあるため注意が必要です。食後に頭痛を起こすことがある場合には、糖尿病と診断されていない方でも血糖値スパイクを起こしている可能性があります。
当院では、脳梗塞などの手術を多数経験してきた脳神経外科専門医が、深刻な発作を予防するという観点からの生活習慣病の診療を行っています。脳梗塞の前触れ症状とされる一過性脳虚血発作などにもきめ細かく配慮して診察していますので、糖尿病や血糖値スパイクと頭痛でお悩みがある場合には1度、ご相談ください。